持続的な地下水開発可能量の評価 インドネシア東部地下水開発プロジェクトでのケーススタディー

近年, 地球規模の水問題に対する関心が高まっている. 近年の新興国の人口増加とそれに伴う食料生産の増加により, 利用可能な水資源はますます希少となっているが, とりわけ賦存量の少ない地下水資源の保護は, 喫緊の課題となっている. わが国では, 地下水を水源とした飲料水開発や農業開発のプロジェクトを, 政府開発援助の枠組みで東南アジアやアフリカなど世界各地で実施しているが, 近年最も重視されているのが事業の「持続性」である. 近年地下水開発ポテンシャルが十分ではない地域も開発の対象地域に挙がるケースが散見され, 改めて地下水資源の開発における持続性の検討が重要となっている.  本報ではインドネシ...

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Published in応用地質 Vol. 51; no. 3; pp. 130 - 139
Main Author 吉澤, 拓也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本応用地質学会 2010
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ISSN0286-7737
1884-0973
DOI10.5110/jjseg.51.130

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Summary:近年, 地球規模の水問題に対する関心が高まっている. 近年の新興国の人口増加とそれに伴う食料生産の増加により, 利用可能な水資源はますます希少となっているが, とりわけ賦存量の少ない地下水資源の保護は, 喫緊の課題となっている. わが国では, 地下水を水源とした飲料水開発や農業開発のプロジェクトを, 政府開発援助の枠組みで東南アジアやアフリカなど世界各地で実施しているが, 近年最も重視されているのが事業の「持続性」である. 近年地下水開発ポテンシャルが十分ではない地域も開発の対象地域に挙がるケースが散見され, 改めて地下水資源の開発における持続性の検討が重要となっている.  本報ではインドネシア東部乾燥地帯を対象とした農業用地下水開発プロジェクトについて, 調査でとくに留意した持続的な開発可能量の検討方法を紹介する. 検討では, 地下水涵養量の算定を数種類の簡便な方法で行うとともに, 塩水浸入なども考慮して開発計画を立案した.
ISSN:0286-7737
1884-0973
DOI:10.5110/jjseg.51.130