地下水ガバナンスの動態に関する研究 地下水の社会的価値を分析枠組みとして

本稿では,地下水ガバナンスの構造や機能に関する時間的な変化としての地下水ガバナンスの動態を取り上げる。地下水をめぐる政策課題の変化(多層化)を踏まえて,複数の事例を包含する分析枠組みとして地下水の社会的価値を示し,社会的損失の発生対応,社会的損失の回避,さらには社会的価値の創造への拡張を伴いながら,地下水ガバナンスの程度が強まってきたことを示す。さらに,地下水ガバナンスの特徴であるマルチ・アクター,マルチ・レベル,およびポリシー・ミックスが,地下水管理の変化にどのように現れているのかについて,地下水インフラの事例を通して明らかにする。...

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Published in地下水学会誌 Vol. 62; no. 2; pp. 219 - 232
Main Authors 八木, 信一, 遠藤, 崇浩, 坂東, 和郎, 中谷, 仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本地下水学会 28.05.2020
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Summary:本稿では,地下水ガバナンスの構造や機能に関する時間的な変化としての地下水ガバナンスの動態を取り上げる。地下水をめぐる政策課題の変化(多層化)を踏まえて,複数の事例を包含する分析枠組みとして地下水の社会的価値を示し,社会的損失の発生対応,社会的損失の回避,さらには社会的価値の創造への拡張を伴いながら,地下水ガバナンスの程度が強まってきたことを示す。さらに,地下水ガバナンスの特徴であるマルチ・アクター,マルチ・レベル,およびポリシー・ミックスが,地下水管理の変化にどのように現れているのかについて,地下水インフラの事例を通して明らかにする。
ISSN:0913-4182
2185-5943
DOI:10.5917/jagh.62.219