超音波トランスデューサの放射角度を校正するための計測方法 ステレオ撮影画像を利用した超音波パルスの空間的可視化

超音波素子のケーシング軸に対する超音波放射角度の誤差評価は,流速計測技術などにとって,非常に重要な校正パラメータである.トランスデューサの放射角度誤差に関する評価には,三次元空間での超音波伝搬特性計測が必要だが,従来法は0.01°オーダーで放射角度を評価する技術水準には至っていない.課題となる測定時間と空間分解能の向上のために,本研究では,超音波素子から放射されたパルスエコー伝播特性の評価システムを構築した.本手法では,水中にランダムに分散した粒子の膨大な超音波波形と三次元座標情報を収集する.その三次元座標参照値として,ステレオ撮影画像による空間可視化を利用した.結果として,超音波パルスの伝播...

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Published in可視化情報学会誌 Vol. 44; no. 169; pp. 23 - 27
Main Authors 芳田, 泰基, 和田, 守弘, 古市, 紀之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 可視化情報学会 2024
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Summary:超音波素子のケーシング軸に対する超音波放射角度の誤差評価は,流速計測技術などにとって,非常に重要な校正パラメータである.トランスデューサの放射角度誤差に関する評価には,三次元空間での超音波伝搬特性計測が必要だが,従来法は0.01°オーダーで放射角度を評価する技術水準には至っていない.課題となる測定時間と空間分解能の向上のために,本研究では,超音波素子から放射されたパルスエコー伝播特性の評価システムを構築した.本手法では,水中にランダムに分散した粒子の膨大な超音波波形と三次元座標情報を収集する.その三次元座標参照値として,ステレオ撮影画像による空間可視化を利用した.結果として,超音波パルスの伝播経路の中心軸や広がり幅など,超音波素子の伝播特性が定量評価・校正できた.音圧場測定を中心に評価してきた従来法とは異なり,パルスエコー波形の空間分布を評価する考え方は,これまでには無い評価方法である.
ISSN:0916-4731
1884-037X
DOI:10.3154/jvs.44.169_23