Background oriented schlieren法による流体現象の可視化と定量計測 吐息の可視化から水中衝撃波の圧力場まで
Background oriented schlieren (BOS) 法は,背景画像とカメラだけで計測対象の圧力場計測ができ,誰にでも手軽に非接触での可視化や定量計測が実現できる利点をもつ.筆者らは,これまでの研究成果をもとにBOS法の応用例として,流体中の透明物体可視化,吐息の可視化,水中衝撃波の圧力場計測について紹介した.BOSは周囲流体と計測対象との屈折率勾配差を可視化できることから,透明物体の可視化に成功した.また計測対象と背景画像との距離を増やすことで計測感度を上げることができるため,密度差が小さい計測対象 (吐息)の可視化をBOSは達成した.圧力場計測では,新たに構築した三次元再...
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Published in | 可視化情報学会誌 Vol. 44; no. 169; pp. 19 - 22 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 可視化情報学会
2024
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Summary: | Background oriented schlieren (BOS) 法は,背景画像とカメラだけで計測対象の圧力場計測ができ,誰にでも手軽に非接触での可視化や定量計測が実現できる利点をもつ.筆者らは,これまでの研究成果をもとにBOS法の応用例として,流体中の透明物体可視化,吐息の可視化,水中衝撃波の圧力場計測について紹介した.BOSは周囲流体と計測対象との屈折率勾配差を可視化できることから,透明物体の可視化に成功した.また計測対象と背景画像との距離を増やすことで計測感度を上げることができるため,密度差が小さい計測対象 (吐息)の可視化をBOSは達成した.圧力場計測では,新たに構築した三次元再構成を適用したBOS (VT-BOS) の性能についてハイドロフォンと比べ議論した.VT-BOSは空間解像度にほぼ依存しない圧力算出精度をもち,従来BOSと比べて一万分の一の計算負荷で圧力場を算出できる.今後,VT-BOSは軸対称な計測対象に限りハイドロフォンにかわる圧力場計測手法となることが期待できる. |
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ISSN: | 0916-4731 1884-037X |
DOI: | 10.3154/jvs.44.169_19 |