人工膝関節置換術術前後における下肢筋力, および歩行速度の推移 関節リウマチと変形性膝関節症症例における比較

TKA施行前後の術側,非術側のSLR筋力,およびThe Timed up & go test(以下Up & go test)の推移をRA16例(67.2±9.0歳,全例女性)とOA12例(70.8±4.6歳,全例女性)で比較した。筋力測定には独自で考案した徒手筋力計を用いて,術前,全荷重時(術後16.9±2.6日),及び退院時(術後26.0±2.9日)の3期に測定し,それと同時に疼痛の程度をVisual Analogue Scale(以下VAS)にて評価した。術側SLR筋力において,RAでは,全荷重時でほぼ術前値に達し,退院時には有意に増加した。それに対しOAでは,全荷重時には...

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Published in理学療法科学 Vol. 17; no. 4; pp. 259 - 264
Main Authors 太田, 晴之, 森, 剛士, 村瀬, ゆかり, 佐々木, 賢太郎, 築山, 尚司, 石倉, 隆, 千田, 益生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2002
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.17.259

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Summary:TKA施行前後の術側,非術側のSLR筋力,およびThe Timed up & go test(以下Up & go test)の推移をRA16例(67.2±9.0歳,全例女性)とOA12例(70.8±4.6歳,全例女性)で比較した。筋力測定には独自で考案した徒手筋力計を用いて,術前,全荷重時(術後16.9±2.6日),及び退院時(術後26.0±2.9日)の3期に測定し,それと同時に疼痛の程度をVisual Analogue Scale(以下VAS)にて評価した。術側SLR筋力において,RAでは,全荷重時でほぼ術前値に達し,退院時には有意に増加した。それに対しOAでは,全荷重時には,術前値よりも有意に低下しており,退院時になって術前値に達していた。またOAでは術前における術側SLR筋力は,VASと負の相関を示した。非術側SLR筋力においては,RAでは術前値に比べ,全荷重時,及び退院時ともに増加したが,OAでは術前値に比べ全荷重時では,有意に増強せず,退院時に増加した。Up & go testにおいても,RAでは退院時の速度は,術前と差がないのに対し,OAでは退院時の速度は術前よりも遅れる傾向にあった。基礎疾患により術前の状態は異なり,同手術,理学療法を行なってもその回復過程は異なるため,疾患に合わせたゴール設定,及びプログラムを施行していく必要がある。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.17.259