臨時災害放送局の開設訓練 全国における実施状況

臨時災害放送局は、災害が発生した場合の被害軽減を目的として開設される放送局である。万一の際の迅速な開設に向け、多くの地域で平時から様々な取組みが実施されるようになっている。本稿はそのうち、「新設型」臨時災害放送局の開設を想定した、要免許のFM電波発射を伴う訓練等に焦点を当て、いつ、どこで、何件が実施されてきたかなど、全国での実施状況を報告する。調査対象期間は、臨時災害放送局が制度化された1995年2月から、2022年3月末日までとし、情報通信行政を所管する総務省の全11地方局への調査票による調査と、各地方局・本省への聞取りによる調査を組合せて行なった。この中で、訓練等は東日本大震災後の2012...

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Published in情報通信学会誌 Vol. 42; no. 4; pp. 19 - 26
Main Author 松浦, 哲郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 情報通信学会 2025
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ISSN0289-4513
2186-3083
DOI10.11430/jsicr.42.4_19

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Summary:臨時災害放送局は、災害が発生した場合の被害軽減を目的として開設される放送局である。万一の際の迅速な開設に向け、多くの地域で平時から様々な取組みが実施されるようになっている。本稿はそのうち、「新設型」臨時災害放送局の開設を想定した、要免許のFM電波発射を伴う訓練等に焦点を当て、いつ、どこで、何件が実施されてきたかなど、全国での実施状況を報告する。調査対象期間は、臨時災害放送局が制度化された1995年2月から、2022年3月末日までとし、情報通信行政を所管する総務省の全11地方局への調査票による調査と、各地方局・本省への聞取りによる調査を組合せて行なった。この中で、訓練等は東日本大震災後の2012年に初実施され、2021年度末までに、全地方局管内において計178件が実施されたこと、和歌山県や東京都など大規模災害の発生が想定される地域で多いこと、などを明らかにしている。
ISSN:0289-4513
2186-3083
DOI:10.11430/jsicr.42.4_19