ガリウム収束イオンビームを用いたサブミクロン二次イオン質量分析装置による無機マイクロカプセルの三次元分析

ガリウム収束イオンビームを一次ビームとするサブミクロンSIMSにより,内部に微細な構造を有する微粒子の三次元分析を行った.試料として,粒径約0.03μmのTiO2微粒子を壁厚約0.1μmのSiO2で内包した直径2~3μmの球形マイクロカプセルを用いた.高密度(1A/cm2程度)かつ微細(直径0.1μm程度)な収束イオンビームを用いることにより,顕微視野内でマイクロカプセルを変形させることなく切断し,断面のSi+及びTi+の二次イオン像を取得した.二次イオン像よりマイクロカプセル構造が確認され,又,内部の空げきの存在が示された.更に,単一粒子を一端から他端まで順次スパッタリングした際のイオン強度...

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Published in分析化学 Vol. 40; no. 11; pp. 629 - 633
Main Authors 冨安, 文武乃進, 二瓶, 好正, 佐藤, 仁美, 尾張, 真則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.11.1991
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.40.11_629

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Summary:ガリウム収束イオンビームを一次ビームとするサブミクロンSIMSにより,内部に微細な構造を有する微粒子の三次元分析を行った.試料として,粒径約0.03μmのTiO2微粒子を壁厚約0.1μmのSiO2で内包した直径2~3μmの球形マイクロカプセルを用いた.高密度(1A/cm2程度)かつ微細(直径0.1μm程度)な収束イオンビームを用いることにより,顕微視野内でマイクロカプセルを変形させることなく切断し,断面のSi+及びTi+の二次イオン像を取得した.二次イオン像よりマイクロカプセル構造が確認され,又,内部の空げきの存在が示された.更に,単一粒子を一端から他端まで順次スパッタリングした際のイオン強度変化からも空げきの存在が確認されるとともに,壁厚の評価も可能であることが示された.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.40.11_629