同位元素希釈定量法を併用する放射分析法によるカドミウムの定量

同位元素希釈定量法を併用する放射化分析法によりカドミウムの定量を試みた。カドミウム過剰の条件において, ジチゾンとの反応について検討したところ, 酒石酸塩を含む1Nカ性ソーダ溶液で, カドミウムの濃度が200μg以上のときには抽出率が一定となり, 一定の比率で反応していることが確かめられた。抽出した有機層の放射能の比例性, 再現性もともに良好であり, 本法によりカドミウムの定量の可能なことが示された。共存イオンの妨害については考慮せねばならないが, あらかじめ, シアン化カリウムを含む強アルカリ性溶液から過剰のジチゾンによりカドミウムを分離することにより, 妨害をさけることができた。応用として...

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Published inRADIOISOTOPES Vol. 16; no. 10; pp. 514 - 518
Main Authors 工藤, 洌, 山本, 勝巳, 栗山, 成夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本アイソトープ協会 15.10.1967
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Summary:同位元素希釈定量法を併用する放射化分析法によりカドミウムの定量を試みた。カドミウム過剰の条件において, ジチゾンとの反応について検討したところ, 酒石酸塩を含む1Nカ性ソーダ溶液で, カドミウムの濃度が200μg以上のときには抽出率が一定となり, 一定の比率で反応していることが確かめられた。抽出した有機層の放射能の比例性, 再現性もともに良好であり, 本法によりカドミウムの定量の可能なことが示された。共存イオンの妨害については考慮せねばならないが, あらかじめ, シアン化カリウムを含む強アルカリ性溶液から過剰のジチゾンによりカドミウムを分離することにより, 妨害をさけることができた。応用として, アルミニウムおよび亜鉛金属中の微量のカドミウムの定量を試みたところ, 満足すべき結果がえられた。
ISSN:0033-8303
1884-4111
DOI:10.3769/radioisotopes.16.10_514