低エネルギーオージェ電子分光法によるコバルト-ニッケル合金の定量分析

オージェ電子分光法により表面感度の高い低エネルギーピークを用い,Co-Ni合金の定量分析について検討した.Co-Ni合金のCo及びNiの低エネルギーオージェスペクトルは重複して観測される.その重複ピークはCo濃度が高くなるにつれて高エネルギー側にピークシフトを起こしていた.しかし,ピーク合成法を用いることにより両者は定量的に分離することができ,定量分析は可能であった.又,バックグラウンドの除去法として一次微分,二次微分及びtop-hatフィルターの3種類について比較したが,差はほとんどなく,いずれのフィルターを用いても十分にバックグラウンドを除去することができた.又,定量した表面のCo濃度は,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in分析化学 Vol. 41; no. 11; pp. 533 - 537
Main Authors 田沼, 繁夫, 原田, 朋子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.11.1992
Online AccessGet full text
ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.41.11_533

Cover

More Information
Summary:オージェ電子分光法により表面感度の高い低エネルギーピークを用い,Co-Ni合金の定量分析について検討した.Co-Ni合金のCo及びNiの低エネルギーオージェスペクトルは重複して観測される.その重複ピークはCo濃度が高くなるにつれて高エネルギー側にピークシフトを起こしていた.しかし,ピーク合成法を用いることにより両者は定量的に分離することができ,定量分析は可能であった.又,バックグラウンドの除去法として一次微分,二次微分及びtop-hatフィルターの3種類について比較したが,差はほとんどなく,いずれのフィルターを用いても十分にバックグラウンドを除去することができた.又,定量した表面のCo濃度は,バルク濃度とよく一致した.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.41.11_533