スクールカウンセラーが高校生を対象として 実施した講演会の効果に関する実証的検討 交差遅延効果モデルと同時効果モデルを用いて

本研究ではコロナ禍の中,オンラインでスクールカウンセラー( 以下:SC) が高校生の自尊感情向上をねらい講演会を実施し,統計的手法から効果検証を試みた.具体的には本講演会実施前後に自尊感情尺度であるSE-1 型式尺度( 以下:SE-1) と自己表現に関するアンケートを実施し,自己表現に関するアンケートから高校生アサーション尺度( 以下:高校AS) を作成した.そしてSE-1 と高校AS を用い効果を検証した.効果検証は対応のあるt検定で効果を検証し,さらに交差遅延効果モデルと同時効果モデルを用いて因果関係の検証を行った.時期,性差,学年差については3要因混合計画分散分析での検証を行った.結果は...

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Published in教育実践学研究 Vol. 24; no. 2; p. 53
Main Author 黒木, 幸敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本教育実践学会 2023
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ISSN1344-946X
2435-9521
DOI10.34587/jsep.24.2_53

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Summary:本研究ではコロナ禍の中,オンラインでスクールカウンセラー( 以下:SC) が高校生の自尊感情向上をねらい講演会を実施し,統計的手法から効果検証を試みた.具体的には本講演会実施前後に自尊感情尺度であるSE-1 型式尺度( 以下:SE-1) と自己表現に関するアンケートを実施し,自己表現に関するアンケートから高校生アサーション尺度( 以下:高校AS) を作成した.そしてSE-1 と高校AS を用い効果を検証した.効果検証は対応のあるt検定で効果を検証し,さらに交差遅延効果モデルと同時効果モデルを用いて因果関係の検証を行った.時期,性差,学年差については3要因混合計画分散分析での検証を行った.結果は,事前・事後間での高校AS に有意差はみられずSE-1 は事前・事後で有意差がみられた.因果関係検証においても高校AS よりもSE-1 の影響がみられた.SE-1 において学年差はみられなかったが,性差がみられ,男子平均点が女子平均点より有意に高かった.結果,自尊感情に関するスクールカウンセラーが行った講演会は高校生の自尊感情に影響を与えたことが示唆された.
ISSN:1344-946X
2435-9521
DOI:10.34587/jsep.24.2_53