超音波援用研削による小径内面の機能性表面創成に関する研究 単粒研削試験による砥粒切れ刃形状の転写性について

本研究は,超音波振動援用研削を用いて小径内面に機能性表面を創成する際の,加工機構について明らかにするものである.本報では,その基礎として砥粒切れ刃が研削溝を形成する際のメカニズムの解明を試みている.ダイヤモンド砥粒1つを小径の超硬軸にろう付けした単粒砥石を製作し,それを用いた単粒研削試験を行い,相対運動により形成される微小溝の形成に対する超音波援用の影響を確かめた.その結果,砥粒切れ刃形状は,工作物小径内面の微小溝へ高い転写性をもつことがわかった.さらに,実験的検討から砥石と工作物の周速度比,研削方式の違いなどの観点から研削条件を最適化することにより,超音波援用研削において,材料除去効果を向上...

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Published in砥粒加工学会誌 Vol. 67; no. 1; pp. 36 - 42
Main Authors 藤本, 正和, 福山, 修, 山下, 富雄, 市川, 紀一, 齋藤, 幸丸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 砥粒加工学会 01.01.2023
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Summary:本研究は,超音波振動援用研削を用いて小径内面に機能性表面を創成する際の,加工機構について明らかにするものである.本報では,その基礎として砥粒切れ刃が研削溝を形成する際のメカニズムの解明を試みている.ダイヤモンド砥粒1つを小径の超硬軸にろう付けした単粒砥石を製作し,それを用いた単粒研削試験を行い,相対運動により形成される微小溝の形成に対する超音波援用の影響を確かめた.その結果,砥粒切れ刃形状は,工作物小径内面の微小溝へ高い転写性をもつことがわかった.さらに,実験的検討から砥石と工作物の周速度比,研削方式の違いなどの観点から研削条件を最適化することにより,超音波援用研削において,材料除去効果を向上させて研削抵抗を短時間で収束させることが可能となることがわかった.
ISSN:0914-2703
1880-7534
DOI:10.11420/jsat.67.36