鍼灸電子カルテ標準参照仕様の策定を目的とした実態調査 全国92施設のカルテ状況の把握と検討
【目的】鍼灸電子カルテの策定を目的にカルテを収集し、 重要語の調査およびコーディングを行った。 【方法】実態調査として、 鍼灸関連6団体からカルテを収集し、 カルテ項目の特徴をTerm Frequency-Inverse Document Frequency値で評価した。 この値が高い項目を重要語とした。 主観的情報はInternational Classification of PrimaryCare Second Edition、 介入方法はInternational Classification of Health Interventionsを用いてコーディングした。 【結果】92施設か...
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Published in | 全日本鍼灸学会雑誌 Vol. 75; no. 2; pp. 287 - 299 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 全日本鍼灸学会
01.05.2025
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Subjects | |
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ISSN | 0285-9955 1882-661X |
DOI | 10.3777/jjsam.75.287 |
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Summary: | 【目的】鍼灸電子カルテの策定を目的にカルテを収集し、 重要語の調査およびコーディングを行った。 【方法】実態調査として、 鍼灸関連6団体からカルテを収集し、 カルテ項目の特徴をTerm Frequency-Inverse Document Frequency値で評価した。 この値が高い項目を重要語とした。 主観的情報はInternational Classification of PrimaryCare Second Edition、 介入方法はInternational Classification of Health Interventionsを用いてコーディングした。 【結果】92施設から3080項目を取得され、 日本鍼灸師会・全日本鍼灸マッサージ師会では治療内容、 東洋療法学校協会では理学所見、 鍼灸学系大学協議会・全日本鍼灸学会では切診、 日本伝統鍼灸学会では女性に関する項目が重要語とみなされた。 主観的情報のコーディングは“暑がり”、“寒がり”以外の症状がコーディングされた。 介入方法においても概ねコーディング可能であったものの、 本数、 番手などの語句は分類困難であった。 【考察】日本鍼灸師会・全日本鍼灸マッサージ師会は治療内容を重視し、 東洋療法学校協会では臨床教育を重視したカルテ構成であった。 鍼灸学系大学協議会・全日本鍼灸学会では触診や既往歴の記録が多く、 日本伝統鍼灸学会は問診の詳細さが特徴的であった。 また、 主観的情報は概ねコーディング可能だったが、 膨大な選択肢から選択する必要があり、 電子カルテへの反映は慎重に検討すべきである。 また、 介入方法のコーディングは選択肢も限られており、 利用しやすい一方で、 電子カルテに反映するためには調整が必要である。 【結語】鍼灸電子カルテに組入れる項目の選定やコーディングツールの利用は、 利用しやすさ、 研究利用、 データ管理など多方面から検討する必要がある。 |
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ISSN: | 0285-9955 1882-661X |
DOI: | 10.3777/jjsam.75.287 |