オンダンセトロンが原因と考えられた術後両下肢不随意運動の1症例

54歳女性,167cm,58kg.子宮全摘術の既往があるが,その際に術後合併症はなかった.今回,左乳がんに対する左乳房切除術を全身麻酔下で施行した.執刀前に術後悪心・嘔吐予防としてデキサメタゾン6.6mgと,閉創時にオンダンセトロン4mgを投与した.手術経過や覚醒も良好で手術室で抜管した.麻酔回復室への移動中に突然両下肢の不随意運動が生じ,症状は15分間継続した後に自然消失した.術後検査に異常はなかった.過去の手術と比較すると使用した薬剤の相違点はオンダンセトロンであったことや時間的な関係性を考慮すると,本症例はオンダンセトロンの副作用である錐体外路症状が生じた可能性が高いと考えられた....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 44; no. 4; pp. 401 - 405
Main Authors 福田 征孝, 林 愛, 米山 五月, 山口 由香里, 掛水 真帆, 川越 いづみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.07.2024
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.44.401

Cover

Loading…
More Information
Summary:54歳女性,167cm,58kg.子宮全摘術の既往があるが,その際に術後合併症はなかった.今回,左乳がんに対する左乳房切除術を全身麻酔下で施行した.執刀前に術後悪心・嘔吐予防としてデキサメタゾン6.6mgと,閉創時にオンダンセトロン4mgを投与した.手術経過や覚醒も良好で手術室で抜管した.麻酔回復室への移動中に突然両下肢の不随意運動が生じ,症状は15分間継続した後に自然消失した.術後検査に異常はなかった.過去の手術と比較すると使用した薬剤の相違点はオンダンセトロンであったことや時間的な関係性を考慮すると,本症例はオンダンセトロンの副作用である錐体外路症状が生じた可能性が高いと考えられた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.44.401