毛烏素砂地の丘間低地におけるウォーターロギングに伴う塩類化と持続的な灌漑農業の展開
毛烏素砂地の数百ha程度の低地 (丘間低地) における持続的な灌漑農業開発を日的としてウォーターロギングに伴う塩類化 (過湿塩害) について検討した。半固定砂丘間の小低地 (間地) では地下水深の浅い湿地側に向かう地下水の流動と, 湿地周辺における土壌及び地下水の塩類化が確認された. 広い湿性草地 (灘地) では地下水は降雨直後に季節性の沼沢から砂丘側に, 無降雨日の継続後には逆向きに流動することが推定された. また灘地の沼沢周辺において地下水の塩類化が見られた. 15年以上利用されている灌漑農地では土壌の塩類化は深刻ではなかった. 地下水は下流側ほど浸透排水の影響により塩類化が促進され, 特...
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Published in | 農業土木学会論文集 Vol. 1999; no. 203; pp. 633 - 641,a2 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 農業農村工学会
25.10.1999
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Subjects | |
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ISSN | 0387-2335 1884-7234 |
DOI | 10.11408/jsidre1965.1999.633 |
Cover
Summary: | 毛烏素砂地の数百ha程度の低地 (丘間低地) における持続的な灌漑農業開発を日的としてウォーターロギングに伴う塩類化 (過湿塩害) について検討した。半固定砂丘間の小低地 (間地) では地下水深の浅い湿地側に向かう地下水の流動と, 湿地周辺における土壌及び地下水の塩類化が確認された. 広い湿性草地 (灘地) では地下水は降雨直後に季節性の沼沢から砂丘側に, 無降雨日の継続後には逆向きに流動することが推定された. また灘地の沼沢周辺において地下水の塩類化が見られた. 15年以上利用されている灌漑農地では土壌の塩類化は深刻ではなかった. 地下水は下流側ほど浸透排水の影響により塩類化が促進され, 特に施肥直後には一時的に著しい電気伝導度 (EC) の増加が認められた. 調査結果を基に丘間低地の持続的な開発と農業利用を提案し, 地下水資源の枯渇しない酒養地の面積率を計算した. |
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ISSN: | 0387-2335 1884-7234 |
DOI: | 10.11408/jsidre1965.1999.633 |