転換期の共通試験の受験者動向 センター試験から共通テストへ

大学入試センター試験から大学入学共通テストへの,転換期の受験者動向の変化を分析した。共通テストに係わる動向としては,特に首都圏で,新卒の私大専願者の減少が顕著であった。そこでは,試行調査で明らかになった新傾向問題の極端な変化を嫌って,共通試験を回避する行動がとられたとみられる。また,令和3 (2021)年には非新卒者が急減した。彼らはセンター試験世代であったため共通テストの受験を控えたと考えられる。さらに地方の18歳人口減少の深刻化も相まって非新卒者全体の減少に繋がった。なお,コロナ禍で当日の未受験者は倍増した。新卒の成績未利用層だけでなく,私大専願層の欠席も多かった。このことから,平時には見...

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Published in日本テスト学会誌 Vol. 18; no. 1; pp. 1 - 16
Main Authors 内田, 照久, 橋本, 貴充
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本テスト学会 2022
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ISSN1880-9618
2433-7447
DOI10.24690/jart.18.1_1

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Summary:大学入試センター試験から大学入学共通テストへの,転換期の受験者動向の変化を分析した。共通テストに係わる動向としては,特に首都圏で,新卒の私大専願者の減少が顕著であった。そこでは,試行調査で明らかになった新傾向問題の極端な変化を嫌って,共通試験を回避する行動がとられたとみられる。また,令和3 (2021)年には非新卒者が急減した。彼らはセンター試験世代であったため共通テストの受験を控えたと考えられる。さらに地方の18歳人口減少の深刻化も相まって非新卒者全体の減少に繋がった。なお,コロナ禍で当日の未受験者は倍増した。新卒の成績未利用層だけでなく,私大専願層の欠席も多かった。このことから,平時には見えないが,本質的に共通試験を必要としない志願者が一定数いることが浮き彫りとなった。
ISSN:1880-9618
2433-7447
DOI:10.24690/jart.18.1_1