殿部筋肉内注射部位の特定方法についての検討 特定部位の分布に着目して

適切な殿部筋肉内注射部位の特定方法を検討することを目的とし,「四分三分法の点」,「クラークの点」,「ホッホシュテッターの部位」の位置関係と特定部位の施行者間のばらつきについて検討した.  位置関係は,「クラークの点」を基準にしたとき,「四分三分法の点」はより背側に,「ホッホシュテッターの部位」はより尾側に分布していた.「四分三分法の点」は特定部位が最も背側に分布しており,施行者によって腹側.背側のばらつきが大きいため,坐骨神経の分布域に近づく危険性がある.「ホッホシュテッターの部位」は施行者の手掌の大きさによって頭側~尾側にばらつきやすい傾向が認められた.  「クラークの点」は施行者間のばらつ...

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Published in日本看護技術学会誌 Vol. 10; no. 2; pp. 4 - 13
Main Authors 佐藤, 好恵, 森, 將晏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護技術学会 20.08.2011
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ISSN1349-5429
2423-8511
DOI10.18892/jsnas.10.2_4

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Summary:適切な殿部筋肉内注射部位の特定方法を検討することを目的とし,「四分三分法の点」,「クラークの点」,「ホッホシュテッターの部位」の位置関係と特定部位の施行者間のばらつきについて検討した.  位置関係は,「クラークの点」を基準にしたとき,「四分三分法の点」はより背側に,「ホッホシュテッターの部位」はより尾側に分布していた.「四分三分法の点」は特定部位が最も背側に分布しており,施行者によって腹側.背側のばらつきが大きいため,坐骨神経の分布域に近づく危険性がある.「ホッホシュテッターの部位」は施行者の手掌の大きさによって頭側~尾側にばらつきやすい傾向が認められた.  「クラークの点」は施行者間のばらつきが少なく,腹側に分布するため神経 ・ 血管損傷の危険性が少ないと考えられる.しかし,特定上の困難さがあげられているため,より簡便に特定できる方法を考案していくことが検討課題である.
ISSN:1349-5429
2423-8511
DOI:10.18892/jsnas.10.2_4