高等学校・音楽Ⅰにおける音楽の前後関係や つながりを意識した創作の学習指導 ループ素材を組み合わせて音楽を構成する手法に着目して

高等学校・音楽Ⅰの創作では,音楽の前後関係やつながりなどを意識した創作の実現が課題となっている.筆者は,整備されつつある1人1台端末の学習環境も踏まえ,タブレット型端末を活用した授業を実践した.本実践では,創作の経験が十分でない生徒が楽器経験や楽典の知識などに左右されることなく創作に親しめるように,ループ再生できる短いサンプル音源の組み合わせを工夫して音楽をつくる方法に着目した.タブレット型端末及び音楽創作アプリの活用が生徒のどのような学びを促したのかを検討するために,音楽の学習に課題のある生徒2名を抽出し,創作画面及び振り返りコメントをもとに学習状況の変容を辿った.その結果,生徒が音楽全体の...

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Published in教育実践学研究 Vol. 24; no. 1; pp. 1 - 13
Main Author 鶴岡, 翔太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本教育実践学会 2022
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ISSN1344-946X
2435-9521
DOI10.34587/jsep.24.1_1

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Summary:高等学校・音楽Ⅰの創作では,音楽の前後関係やつながりなどを意識した創作の実現が課題となっている.筆者は,整備されつつある1人1台端末の学習環境も踏まえ,タブレット型端末を活用した授業を実践した.本実践では,創作の経験が十分でない生徒が楽器経験や楽典の知識などに左右されることなく創作に親しめるように,ループ再生できる短いサンプル音源の組み合わせを工夫して音楽をつくる方法に着目した.タブレット型端末及び音楽創作アプリの活用が生徒のどのような学びを促したのかを検討するために,音楽の学習に課題のある生徒2名を抽出し,創作画面及び振り返りコメントをもとに学習状況の変容を辿った.その結果,生徒が音楽全体の構成を意識し,起承転結や一連の流れのある音楽を創作するようになったこと,さらに,その過程で創作過程を客観的に捉え,学習課題を自己設定したり創作表現を自己調整したりするようになったことが明らかになった.
ISSN:1344-946X
2435-9521
DOI:10.34587/jsep.24.1_1