腰椎後方除圧術 よりよい手術成績を得るためのわれわれの工夫

腰部脊柱管狭窄症は罹病率の高い疾患であり, 時に外科治療が優れた治療効果を発揮することから, 安易に外科治療が行われてしまうこともあるが, 自然経過を十分理解したうえで保存療法を基本とし, 手術は低侵襲に行うべきである. 外科治療は後方支持組織を可能なかぎり温存し, 適切に神経根を除圧することを目的とすべきで, 決して脊柱管の除圧のみで満足すべきではない. 一方固定術は, 明確なエビデンスのない状況下ではその適応は慎重にすべきである. 手術後は, 術後残存症状を後遺症と安易に決めつけるのではなく, 末梢神経障害などの合併に注意し, 長期の経過観察のもと適切に対応する能力をつけるべきである....

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 23; no. 6; pp. 468 - 475
Main Authors 千葉, 泰弘, 森本, 大二郎, 國保, 倫子, 金, 景成, 小林, 士郎, 井須, 豊彦, 菅原, 淳, 岩本, 直高, 森田, 明夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2014
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.23.468

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Summary:腰部脊柱管狭窄症は罹病率の高い疾患であり, 時に外科治療が優れた治療効果を発揮することから, 安易に外科治療が行われてしまうこともあるが, 自然経過を十分理解したうえで保存療法を基本とし, 手術は低侵襲に行うべきである. 外科治療は後方支持組織を可能なかぎり温存し, 適切に神経根を除圧することを目的とすべきで, 決して脊柱管の除圧のみで満足すべきではない. 一方固定術は, 明確なエビデンスのない状況下ではその適応は慎重にすべきである. 手術後は, 術後残存症状を後遺症と安易に決めつけるのではなく, 末梢神経障害などの合併に注意し, 長期の経過観察のもと適切に対応する能力をつけるべきである.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.23.468