Pd/SiO2触媒を用いたベンゼンの一段酸化によるフェノール合成 触媒調製法の活性への影響

含浸法およびイオン交換法で調製した Pd / SiO2触媒を用いたベンゼンの液相一段酸化によるフェノール合成反応について検討した.含浸法で調製した触媒は高い活性を示すが, イオン交換法で調製した触媒では全く活性を示さなかった.含浸法で調製した触媒が活性を示すのは触媒表面に存在する塩化物イオンの効果であることがわかった. ベンゼンと過酸化水素との反応結果から, 過酸化水素の分解によって生じたOHラジカルが反応中間体であること, 塩化物イオンはこの反応中間体である過酸化水素の水への還元反応を抑制していることが明らかとなった....

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Published in化学工学論文集 Vol. 21; no. 6; pp. 997 - 1001
Main Authors 佐々木, 和夫, 塩谷, 優, 新田, 昌弘, 中井, 敏浩, 角田, 恵美子, 八尋, 秀典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 化学工学会 10.12.1995
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ISSN0386-216X
1349-9203
DOI10.1252/kakoronbunshu.21.997

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Summary:含浸法およびイオン交換法で調製した Pd / SiO2触媒を用いたベンゼンの液相一段酸化によるフェノール合成反応について検討した.含浸法で調製した触媒は高い活性を示すが, イオン交換法で調製した触媒では全く活性を示さなかった.含浸法で調製した触媒が活性を示すのは触媒表面に存在する塩化物イオンの効果であることがわかった. ベンゼンと過酸化水素との反応結果から, 過酸化水素の分解によって生じたOHラジカルが反応中間体であること, 塩化物イオンはこの反応中間体である過酸化水素の水への還元反応を抑制していることが明らかとなった.
ISSN:0386-216X
1349-9203
DOI:10.1252/kakoronbunshu.21.997