光ファイバーを用いる三次元蛍光スペクトルによる古代中国の染織物"錦"の色糸に使用された染料の同定 三次元蛍光スペクトルによる古代染織遺物に使用された染料の非破壊的同定法(第3報)

「錦」は金糸や銀糸と色糸で織り出した美しい織物である.およそ16~17世紀に中国で作製された現存する古代「錦」に織り込まれている「赤色の糸(X)」と「青色の糸(Y)」の三次元蛍光スペクトルによる非破壊測寒を光ファイバー装置を用いて行った.染料既知の標準試料から測定したものと三次元蛍光スペクトルの等高線図を比較した結果,この「錦」に織り込まれている「赤色の糸(X)」は植物ベニバナ(Carthamus tinctorius L.)の花弁から得られる染料,又「青色の糸(Y)」は植物タデアイ(Polygonum tinctorium Lour.)の葉から得られる染料で染色されたことが明らかとなった....

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Published in分析化学 Vol. 46; no. 7; pp. 571 - 578
Main Authors 野田, 裕子, 下山, 進
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.07.1997
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.46.571

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Summary:「錦」は金糸や銀糸と色糸で織り出した美しい織物である.およそ16~17世紀に中国で作製された現存する古代「錦」に織り込まれている「赤色の糸(X)」と「青色の糸(Y)」の三次元蛍光スペクトルによる非破壊測寒を光ファイバー装置を用いて行った.染料既知の標準試料から測定したものと三次元蛍光スペクトルの等高線図を比較した結果,この「錦」に織り込まれている「赤色の糸(X)」は植物ベニバナ(Carthamus tinctorius L.)の花弁から得られる染料,又「青色の糸(Y)」は植物タデアイ(Polygonum tinctorium Lour.)の葉から得られる染料で染色されたことが明らかとなった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.46.571