精神科コンサルテーション・リエゾンチームにおける各職種の役割構築に向けたパイロットスタディ リエゾンナースと臨床心理士に焦点をあてて

東京女子医科大学病院の精神科CLT が介入した731件の事例に関し,単独の職種による介入とチームによる介入の差異を概観したうえで,リエゾンナース・臨床心理士が介入した63事例の内容と構造を示した。睡眠障害は医師,適応障害はリエゾンナースにより,また,せん妄など移植前の精神機能評価,Ⅳ軸のある患者は単独の職種よりもチームで多く介入していた。リエゾンナース・臨床心理士は,医療者への教育的・情緒的支援にも重きを置き,チームの内外で連携を促進していた。 各特性として,前者は看護チーム内の葛藤の調整,セルフケアの査定,適応障害患者への積極的傾聴を中心とした保証,後者は客観的ツールも加えた精神状態の査定,...

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Published in総合病院精神医学 Vol. 25; no. 1; pp. 23 - 32
Main Authors 山内, 典子, 小林, 清香, 安田, 妙子, 筒井, 順子, 西村, 勝治, 田中, 美恵子, 異儀田, はづき
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本総合病院精神医学会 15.01.2013
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ISSN0915-5872
2186-4810
DOI10.11258/jjghp.25.23

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Summary:東京女子医科大学病院の精神科CLT が介入した731件の事例に関し,単独の職種による介入とチームによる介入の差異を概観したうえで,リエゾンナース・臨床心理士が介入した63事例の内容と構造を示した。睡眠障害は医師,適応障害はリエゾンナースにより,また,せん妄など移植前の精神機能評価,Ⅳ軸のある患者は単独の職種よりもチームで多く介入していた。リエゾンナース・臨床心理士は,医療者への教育的・情緒的支援にも重きを置き,チームの内外で連携を促進していた。 各特性として,前者は看護チーム内の葛藤の調整,セルフケアの査定,適応障害患者への積極的傾聴を中心とした保証,後者は客観的ツールも加えた精神状態の査定,精神病理の重い患者への体系的な心理療法を担っていた。医学的・心理社会的複雑さからみる精神的問題とともに,医療者の対応の困難度を役割分担の指標とすることにより,多角的な見方,多方面からの介入が可能となると考えた。
ISSN:0915-5872
2186-4810
DOI:10.11258/jjghp.25.23