新人看護教員の教育的思考と手段の獲得過程 事例検討を通して

本研究では繰り返し行う熟練教員との事例検討の中で新人教員が経験した事柄や事象を再構築しどのように教育的思考と手段を変化させるかといった視点に着目して新人教員の教育的思考獲得過程を明らかにすることを目的としている。研究者が主催する公開講座に参加し事例検討によるリフレクションを継続して1年間行った教員経験1〜3年未満の者8名を対象として半構造的面接法を実施し質的帰納的に分析した。その結果新人看護教員の教育的思考と手段の獲得過程とは、【不消化な経験の整理】【事例を基に教育の視点と手段のシミュレーションを繰り返し発見する】【看護教員としての視点や手段を使って学生の変化を確認】の3段階であると収束された...

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Published in保健医療福祉科学 Vol. 7; pp. 40 - 45
Main Authors 徳本, 弘子, 黒田, るみ, 新井, 麻紀子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 埼玉県立大学保健医療福祉科学学会 31.03.2018
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ISSN2186-750X
2434-5393
DOI10.32256/spujhcs.7.0_40

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Summary:本研究では繰り返し行う熟練教員との事例検討の中で新人教員が経験した事柄や事象を再構築しどのように教育的思考と手段を変化させるかといった視点に着目して新人教員の教育的思考獲得過程を明らかにすることを目的としている。研究者が主催する公開講座に参加し事例検討によるリフレクションを継続して1年間行った教員経験1〜3年未満の者8名を対象として半構造的面接法を実施し質的帰納的に分析した。その結果新人看護教員の教育的思考と手段の獲得過程とは、【不消化な経験の整理】【事例を基に教育の視点と手段のシミュレーションを繰り返し発見する】【看護教員としての視点や手段を使って学生の変化を確認】の3段階であると収束された。新人教員は教育実践で何が有効なのか判断する視点と教育的思考が獲得されていないため多くの困難感を感じている。したがって新人教員が教育的思考と手段を獲得するためには熟練教員の支援を得ることの必要性が示唆された。
ISSN:2186-750X
2434-5393
DOI:10.32256/spujhcs.7.0_40