脊髄動静脈シャント疾患の疾患概念と治療 硬膜外動静脈瘻とは

まれな脊髄血管障害の1つである脊髄動静脈シャントの疾患概念, 治療法の変化, 現状の問題点, 今後の展望をまとめる. 1980~1990年代には手術治療が主であった. 2000年代には, 血管造影装置が発展し細かい血管が見えるようになってきた. さらに, 液体塞栓物質の導入により血管内治療が広く行われるようになった. 最近, 硬膜動静脈瘻と診断されていたものの中に, 硬膜外動静脈瘻があることがわかってきた. 脊髄動静脈シャント疾患は, 脳AVMと比べてサイズが小さいため, 正確なシャント部位の確定診断が難しいという問題点がある. 今後の展望としては, 直達手術, 血管内治療, 複合治療の治療成...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 29; no. 6; pp. 422 - 426
Main Author 髙井, 敬介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2020
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.29.422

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Summary:まれな脊髄血管障害の1つである脊髄動静脈シャントの疾患概念, 治療法の変化, 現状の問題点, 今後の展望をまとめる. 1980~1990年代には手術治療が主であった. 2000年代には, 血管造影装置が発展し細かい血管が見えるようになってきた. さらに, 液体塞栓物質の導入により血管内治療が広く行われるようになった. 最近, 硬膜動静脈瘻と診断されていたものの中に, 硬膜外動静脈瘻があることがわかってきた. 脊髄動静脈シャント疾患は, 脳AVMと比べてサイズが小さいため, 正確なシャント部位の確定診断が難しいという問題点がある. 今後の展望としては, 直達手術, 血管内治療, 複合治療の治療成績について比較検証が必要である.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.29.422