病院における呼吸リハビリテーション 健康寿命延伸のための取り組み

病院における呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)の役割は様々である.当院では救命を前提とした超急性期医療における呼吸リハ,そして急性期症状を脱した亜急性期および外来における安定期の呼吸リハを提供している.急性期においては,救命後の長期予後に関わる重要な責務を担っており,平成30年度の診療改訂における集中治療室の早期離床・リハビリテーション加算の新設は,当に救命治療の最中における予後不良因子の問題解決を主要な目的としている.安定期における役割は,機能面・活動性向上による生活の質の改善,並びに外来における定期的な評価による状態把握と増悪に対する早期対応が求められる.呼吸リハを提供できる施設がまだ十分...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 Vol. 30; no. 1; pp. 13 - 19
Main Authors 川越, 厚良, 柴田, 和幸, 渡邊, 暢, 佐川, 亮一, 原田, 郁, 菅原, 慶勇, 高橋, 仁美, 長谷川, 傑, 円山, 啓司, 塩谷, 隆信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 25.12.2021
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:病院における呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)の役割は様々である.当院では救命を前提とした超急性期医療における呼吸リハ,そして急性期症状を脱した亜急性期および外来における安定期の呼吸リハを提供している.急性期においては,救命後の長期予後に関わる重要な責務を担っており,平成30年度の診療改訂における集中治療室の早期離床・リハビリテーション加算の新設は,当に救命治療の最中における予後不良因子の問題解決を主要な目的としている.安定期における役割は,機能面・活動性向上による生活の質の改善,並びに外来における定期的な評価による状態把握と増悪に対する早期対応が求められる.呼吸リハを提供できる施設がまだ十分ではない昨今において,病院と地域における相互の連携・情報共有(病院-地域間連携)を密接に行い,必要とする患者さんにシームレスな医療を継続していくことも,健康寿命延伸を目指した超高齢化社会の課題である.
ISSN:1881-7319
2189-4760
DOI:10.15032/jsrcr.30.1_13