脳動脈瘤に対するステント留置による血行力学的効果 多孔質媒体モデルを用いた数値流体力学 (CFD) による検討

ステント留置による脳動脈瘤内の血行力学的変化を, より短時間で数値流体力学を用いて解析するため, ステント領域を多孔質媒体でシミュレーションし, ステントセルの変化を多孔質媒体の密度変化に置換する手法を試みた. その結果, 動脈瘤の大きさにかかわらずステントセルが縮小するほど, 瘤内の血流低下とうっ滞が生じることが明らかになった. 一方, 血流の複雑性を示すパラメータはステントセルの縮小に伴い小型や中型動脈瘤ではいったん増加した後に減少したが, 大型動脈瘤ではさらにステントセルが縮小すると再増加した. Flow diverterの適応となる大型動脈瘤では, 小型や中型瘤と比べ, ステント留置後...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 26; no. 6; pp. 444 - 451
Main Authors 梅田, 靖之, 石田, 藤麿, 芝, 真人, 当麻, 直樹, 辻, 正範, 古川, 和博, 三浦, 洋一, 安田, 竜太, 霜坂, 辰一, 佐野, 貴則, 種村, 浩, 鈴木, 秀謙
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2017
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.26.444

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Summary:ステント留置による脳動脈瘤内の血行力学的変化を, より短時間で数値流体力学を用いて解析するため, ステント領域を多孔質媒体でシミュレーションし, ステントセルの変化を多孔質媒体の密度変化に置換する手法を試みた. その結果, 動脈瘤の大きさにかかわらずステントセルが縮小するほど, 瘤内の血流低下とうっ滞が生じることが明らかになった. 一方, 血流の複雑性を示すパラメータはステントセルの縮小に伴い小型や中型動脈瘤ではいったん増加した後に減少したが, 大型動脈瘤ではさらにステントセルが縮小すると再増加した. Flow diverterの適応となる大型動脈瘤では, 小型や中型瘤と比べ, ステント留置後の血行力学的変化はより複雑であることが示唆された.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.26.444