房総半島に分布する安房層群天津層(中部中新統~下部鮮新統)の石灰質ナンノ化石層序

房総半島中部に分布する安房層群天津層の石灰質ナンノ化石を検討し,その地質時代を考察した.天津層からは指標種を含むさまざまな石灰質ナンノ化石が比較的豊富に産出する.おもな石灰質ナンノ化石種の層位分布に基づけば,天津層に計14の化石基準面とバイオイベントが認定できる.その結果,天津層は石灰質ナンノ化石帯CN5帯(NN6帯)からCN10帯(NN12帯)に相当し,中部中新統から下部鮮新統に対比される.相当する年代は概ね13Maから5Maである.今後,天津層でその他の微化石層序や古地磁気層序が詳しく検討されることによって,中緯度海域における中新統複合年代尺度を設定できると考えられる....

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Published in地質学雑誌 Vol. 108; no. 12; pp. 813 - 828
Main Authors 藤岡, 導明, 亀尾, 浩司, 三田, 勲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地質学会 10.12.2002
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ISSN0016-7630
1349-9963
DOI10.5575/geosoc.108.12_813

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Summary:房総半島中部に分布する安房層群天津層の石灰質ナンノ化石を検討し,その地質時代を考察した.天津層からは指標種を含むさまざまな石灰質ナンノ化石が比較的豊富に産出する.おもな石灰質ナンノ化石種の層位分布に基づけば,天津層に計14の化石基準面とバイオイベントが認定できる.その結果,天津層は石灰質ナンノ化石帯CN5帯(NN6帯)からCN10帯(NN12帯)に相当し,中部中新統から下部鮮新統に対比される.相当する年代は概ね13Maから5Maである.今後,天津層でその他の微化石層序や古地磁気層序が詳しく検討されることによって,中緯度海域における中新統複合年代尺度を設定できると考えられる.
ISSN:0016-7630
1349-9963
DOI:10.5575/geosoc.108.12_813