積雪寒冷地域自立高齢者に対するタブレット端末を利用した口腔機能向上プログラム プログラム実施状況の実態調査

介護予防事業において口腔機能向上に関わる事業の取り組みは不十分であり,地域特性を考慮して実施したという報告は数少ない。本研究の目的は,積雪寒冷地域在住の在宅自立高齢者を対象に,タブレット端末による口腔機能向上プログラムが継続的に実施可能か否かを明らかにすることである。 札幌市南区在住の在宅自立高齢者 24 名(男性 12 名,女性 12 名,66〜81 歳)を対象者とした。実施前後に聞き取り調査を行い,口腔機能向上プログラムはタブレット端末を利用して 7 つの動画で提供した。対象者は積雪期の 5 週間,プログラムを実施した。 全員がタブレット端末利用未経験者であった。実施期間中のアプリケーショ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in老年歯科医学 Vol. 30; no. 4; pp. 374 - 381
Main Authors 岡田, 和隆, 島田, 英知, 中澤, 誠多朗, 山崎, 裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年歯科医学会 31.03.2016
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:介護予防事業において口腔機能向上に関わる事業の取り組みは不十分であり,地域特性を考慮して実施したという報告は数少ない。本研究の目的は,積雪寒冷地域在住の在宅自立高齢者を対象に,タブレット端末による口腔機能向上プログラムが継続的に実施可能か否かを明らかにすることである。 札幌市南区在住の在宅自立高齢者 24 名(男性 12 名,女性 12 名,66〜81 歳)を対象者とした。実施前後に聞き取り調査を行い,口腔機能向上プログラムはタブレット端末を利用して 7 つの動画で提供した。対象者は積雪期の 5 週間,プログラムを実施した。 全員がタブレット端末利用未経験者であった。実施期間中のアプリケーションの起動は,週平均 6 日以上の者が半数であり,そのうち 2 名は毎日起動していた。最も起動していない者でも 5 週間で 7 日以上は利用していた。また,一人 1 日当たりのアプリケーション平均起動回数は最終的に 2〜2.5 回程度に収束する傾向を示した。実施後のアンケート調査により,多くの対象者がプログラムを継続的に実施することができ,今後も継続してみたいと思っていることがわかった。 以上より,積雪寒冷地域に在住する在宅自立高齢者において,口腔機能向上プログラムはタブレット端末により継続的に実施される可能性が示唆された。
ISSN:0914-3866
1884-7323
DOI:10.11259/jsg.30.374