高純度アルミナ微粉末原料の粉末性状と焼結性

市販又は試作段階の高純度アルミナ微粉末試料12種について, 粉末性状, 焼結性等を比較検討した. 試料はθ-Al2O3を伴う一種を除き, いずれもα-Al2O3のみからなるが, その見掛けのクリスタリットの大きさ, 粉末としての比表面積, 粒度分布には大きな違いが認められ, またこれらの性質相互間にはあまり規則的な関係を見いだせなかった. 透過型電子顕微鏡下で観察される粒子の形状等にも, 試料によって大差があるが, この形状によって上記の粉末の性質を良く関係付けることができる. 粉末の充てん性, 焼結性も試料によって大差があるが, 上記の粉末性状, 特に粒子の形状等によってこの差異を生じる原因...

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Published in窯業協會誌 Vol. 94; no. 1087; pp. 372 - 379
Main Authors 浜野, 健也, 原, 剛志, 黄, 啓祥, 中川, 善兵衛, 長谷川, 美憲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本セラミックス協会 01.03.1986
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Summary:市販又は試作段階の高純度アルミナ微粉末試料12種について, 粉末性状, 焼結性等を比較検討した. 試料はθ-Al2O3を伴う一種を除き, いずれもα-Al2O3のみからなるが, その見掛けのクリスタリットの大きさ, 粉末としての比表面積, 粒度分布には大きな違いが認められ, またこれらの性質相互間にはあまり規則的な関係を見いだせなかった. 透過型電子顕微鏡下で観察される粒子の形状等にも, 試料によって大差があるが, この形状によって上記の粉末の性質を良く関係付けることができる. 粉末の充てん性, 焼結性も試料によって大差があるが, 上記の粉末性状, 特に粒子の形状等によってこの差異を生じる原因を良く説明できる. 実験結果からち密なセラミックスを作製するには, 目的に応じて原料のアルミナ粉末を選択することが非常に重要であり, また一般に, 焼結性の良いアルミナ粉末は母塩の仮像や凝集体を含まず, 単離した0.1-0.5μmの塊状粒子からなり, α-Al2O3のクリスタリットの大きさが1000Å又はそれ以上, 粉末の比表面積が7-10m2/gくらいのものであることが分かった.
ISSN:0009-0255
1884-2127
DOI:10.2109/jcersj1950.94.1087_372