喉頭垂直部分切除術 適応・治療成績および誤嚥について

1979~98年に垂直部分切除術を行った声門癌98例(Tla 61, Tlb 6, T2 31)の5年粗生存率・死因特異的生存率・喉頭温存率は各々90%・95%・89%であった。 照射後部切群(47例)・初回治療群(35例)・二次例群(16例)の間で5年生存率・喉頭温存率に差が認められなかったことから,早期声門癌に対しては声の質までを考慮して放射線治療を第一選択とし,照射後再発例に対して喉頭温存を目的とした部分切除術を行うことがQOLの点で最も合目的的であると考えられた。また,誤嚥に関するアンケート調査では,長期的にも垂直部分切除術後の声門閉鎖不全による肺炎等の呼吸器合併症が臨床的に問題となる...

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Published in頭頸部外科 Vol. 10; no. 1; pp. 47 - 53
Main Authors 佐藤, 武男, 栗田, 智之, 桃原, 実大, 寺田, 友紀, 藤井, 隆, 稲上, 憲一, 長原, 昌萬, 吉野, 邦俊
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 30.06.2000
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.10.47

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Summary:1979~98年に垂直部分切除術を行った声門癌98例(Tla 61, Tlb 6, T2 31)の5年粗生存率・死因特異的生存率・喉頭温存率は各々90%・95%・89%であった。 照射後部切群(47例)・初回治療群(35例)・二次例群(16例)の間で5年生存率・喉頭温存率に差が認められなかったことから,早期声門癌に対しては声の質までを考慮して放射線治療を第一選択とし,照射後再発例に対して喉頭温存を目的とした部分切除術を行うことがQOLの点で最も合目的的であると考えられた。また,誤嚥に関するアンケート調査では,長期的にも垂直部分切除術後の声門閉鎖不全による肺炎等の呼吸器合併症が臨床的に問題となることはないと考えられた。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.10.47