SiO2-Li2O系融液の冷却速度によるガラス化領域の変化

SiO2-Li2O系 (SiO2=35-81mol%組成) 融液を液相温度から, Q1=4×10-2, Q2=1.4×10-1, Q3=4×10-1, Q4=3, Q5=19, Q6=4.4×102, Q7≅105K/sの冷却速度で室温まで冷却し, ガラス化領域を決定した. SiO2=35-75mol%の組成では, ガラス化領域は冷却速度とともに拡大したが, 臨界冷却速度Q*はSiO2=75mol%でわずかに極小となった. しかし, Q2-Q5の冷却速度においては, SiO2>70mol%組成ではガラスの分相が現れ, 冷却速度の上昇とともに分相領域は高シリカ側に縮少した. 液相粘度log...

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Published in窯業協會誌 Vol. 92; no. 1061; pp. 20 - 24
Main Authors 大田, 陸夫, 幸塚, 広光, 曽我, 直弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本セラミックス協会 01.01.1984
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Summary:SiO2-Li2O系 (SiO2=35-81mol%組成) 融液を液相温度から, Q1=4×10-2, Q2=1.4×10-1, Q3=4×10-1, Q4=3, Q5=19, Q6=4.4×102, Q7≅105K/sの冷却速度で室温まで冷却し, ガラス化領域を決定した. SiO2=35-75mol%の組成では, ガラス化領域は冷却速度とともに拡大したが, 臨界冷却速度Q*はSiO2=75mol%でわずかに極小となった. しかし, Q2-Q5の冷却速度においては, SiO2>70mol%組成ではガラスの分相が現れ, 冷却速度の上昇とともに分相領域は高シリカ側に縮少した. 液相粘度logηLをlogQ*に対してプロットするとほぼ直線的な関係が得られた. SiO2-Li2O系とB2O3-Li2O系のlogQ*-logηLダイヤグラムを比較したところ, 同じQ*を持つ組成ではSiO2-Li2O系の方が高いηLの値を持つことが判明した. 結晶化速度式を用いて両者のガラス形成能の違いを調べた結果, SiO2-Li2O系の融解エントロピーがB2O3-Li2O系のそれより小さいことが原因であると推定された. このことは, 液体と結晶の構造変化がSiO2-Li2O系の方が, B2O3-Li2O系のそれより小さいことを示唆している.
ISSN:0009-0255
1884-2127
DOI:10.2109/jcersj1950.92.20