南砺市民病院における臨床倫理活動の立ち上げと活性化の経験 倫理コンサルテーションを中心に

富山県南砺市にある南砺市民病院では,2015年に臨床倫理委員会と倫理コンサルテーションを立ち上げた。委員会には,倫理・哲学と法律の専門家にも参加していただき,倫理問題における講義を定期的に行ってもらっている。倫理コンサルテーションは,多職種で構成されるメンバーで,依頼があってから2日以内に検討会を開催し,メンバーのコメントだけでなく,事例全体に対する推奨内容をまとめて依頼者に返している。2019年からは,いろいろな現場で日常的に倫理問題を検討できるように院内臨床倫理アドバイザーを養成し,主に病棟単位で定期的に倫理カンファレンスを開催し,困難事例については,その後に倫理コンサルテーションで再検討...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in臨床倫理 Vol. 10; pp. 27 - 35
Main Author 清水, 幸裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床倫理学会 2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2187-6134
2435-0621
DOI10.34329/jce.10.0_27

Cover

More Information
Summary:富山県南砺市にある南砺市民病院では,2015年に臨床倫理委員会と倫理コンサルテーションを立ち上げた。委員会には,倫理・哲学と法律の専門家にも参加していただき,倫理問題における講義を定期的に行ってもらっている。倫理コンサルテーションは,多職種で構成されるメンバーで,依頼があってから2日以内に検討会を開催し,メンバーのコメントだけでなく,事例全体に対する推奨内容をまとめて依頼者に返している。2019年からは,いろいろな現場で日常的に倫理問題を検討できるように院内臨床倫理アドバイザーを養成し,主に病棟単位で定期的に倫理カンファレンスを開催し,困難事例については,その後に倫理コンサルテーションで再検討する体制を整えた。このような体制は,病院全体で臨床倫理を醸成するために有用な方法の一つではないかと考えている。本稿では,地域の中小病院における臨床倫理活動の立ち上げとその活性化の試みについて報告する。
ISSN:2187-6134
2435-0621
DOI:10.34329/jce.10.0_27