灌流装置における脈管内圧力制御システム開発

臓器移植において灌流装置を用いた虚血許容時間延長の検討が行われている。これまでの臓器灌流では、開始から時間の経過とともに脈管内圧力は上昇していくことが確認された。このことは臓器が時間とともに劣化することを意味し栄養循環や温度制御では限界があることを意味している。我々は圧力制御を行うことで、物理的に脈管内圧力を減少させ、栄養循環が最適な状態を維持し、虚血許容時間の延長に寄与するため、脈管内圧力制御システム開発を目指した。本研究では圧力チャンバーを用いた減圧制御によるユニットと電磁弁制御のための電気回路の設計を主な取り組みとして開発を行った。また遠隔医療を見据えた授業の提供が必要となるため作製した...

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Published in生体医工学 Vol. Annual62; no. Abstract; p. 332_2
Main Authors 吉田, 裕, 矢幡, 洸介, 林, 輝一, 松村, 昌典, 松野, 直徒
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2024
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Summary:臓器移植において灌流装置を用いた虚血許容時間延長の検討が行われている。これまでの臓器灌流では、開始から時間の経過とともに脈管内圧力は上昇していくことが確認された。このことは臓器が時間とともに劣化することを意味し栄養循環や温度制御では限界があることを意味している。我々は圧力制御を行うことで、物理的に脈管内圧力を減少させ、栄養循環が最適な状態を維持し、虚血許容時間の延長に寄与するため、脈管内圧力制御システム開発を目指した。本研究では圧力チャンバーを用いた減圧制御によるユニットと電磁弁制御のための電気回路の設計を主な取り組みとして開発を行った。また遠隔医療を見据えた授業の提供が必要となるため作製した開発機では、疑似的な血管を取り付けて灌流実験を行なった。結果、開発機は脈管内圧力が想定範囲内で制御されるため、実際の臓器灌流においても圧力が安定すると期待された。このことは実際の臓器灌流実験においても非常に重要であり、今後の装置開発の発展に寄与するものと考えられる。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual62.332_2