99mTc標識の新しい肝胆道系診断薬,99mTc-HIDA 及び99mTc-(Sn)-PIの比較検討 特に体質性黄疸の鑑別診断上の有用性について
99mTc標識の新しい肝胆道系スキャン製剤,99mTc-HIDA及び99mTc-(Sn)-PIを体質性黄疸5例を含む11症例で検討し,夫々の臨床的有用性を評価した.両製剤を用いると従来の131I-BSPおよび131I-RBに比べ約30分で検査を終了出来,かつ画像も鮮明であった.通常,99mTc-HIDAは99mTc-(Sn)-PIより血中クリアランスが約2.5倍程速かった.一方,99mTc(Sn)-PIは胆道系への転送が99mTc-HIDAより約1.4倍程速かった.Gilbert病2例に対して99mTc-HIDA及び99mTc-(Sn)-PIは共に正常例と同様な動態を示した.Dubin-Joh...
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Published in | 肝臓 Vol. 19; no. 12; pp. 1141 - 1152 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
25.12.1978
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Subjects | |
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ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.19.1141 |
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Summary: | 99mTc標識の新しい肝胆道系スキャン製剤,99mTc-HIDA及び99mTc-(Sn)-PIを体質性黄疸5例を含む11症例で検討し,夫々の臨床的有用性を評価した.両製剤を用いると従来の131I-BSPおよび131I-RBに比べ約30分で検査を終了出来,かつ画像も鮮明であった.通常,99mTc-HIDAは99mTc-(Sn)-PIより血中クリアランスが約2.5倍程速かった.一方,99mTc(Sn)-PIは胆道系への転送が99mTc-HIDAより約1.4倍程速かった.Gilbert病2例に対して99mTc-HIDA及び99mTc-(Sn)-PIは共に正常例と同様な動態を示した.Dubin-Johnson症候群3例に対して99mTc-HIDAは正常例に比し胆道系転送は著明な遅延(約16倍)を示し,99mTc-(Sn)-PIは正常例よりやや遅れる転送を示し,前に著者らの発表した131I-BSP及び131I-RBによるスキャンによる鑑別法と類似しており,この2製剤を用いる事でより迅速に体質性黄疸の鑑別の可能性のある事を示した. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.19.1141 |