正常児と網膜芽細胞腫患児におけるP.L.視力の比較

乳幼児における定量的視力評価法のPreferential Looking法(以下P.L.法と略す)を用いて網膜芽細胞腫患児と正常乳幼児の視力経過を追い,両者を比較検討した.対象は網膜芽細胞腫患児の片眼性9例,両眼性5例であり,その中で視力の経過観察できたのは各1症例だった.正常児は生後4ヵ月から24ヵ月の70名124眼である.装置はAwaya-Mohindra式日点P.L.乳幼児視力検査器を用い,判定はQuick Methodにより,遮閉具はアイパッチを用いた. 以上により比較した結果,正常児平均視力より,片眼性症例の健眼視力の方が優位な値が得られた.その理由として患児の検査慣れ,アイパッチの...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 18; pp. 72 - 76
Main Authors 生駒, 洋, 大橋, 理恵, 木皿, 滋子, 箕田, 健生, 牧野, 史絵
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 31.12.1990
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ISSN0387-5172
1883-9215
DOI10.4263/jorthoptic.18.72

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Summary:乳幼児における定量的視力評価法のPreferential Looking法(以下P.L.法と略す)を用いて網膜芽細胞腫患児と正常乳幼児の視力経過を追い,両者を比較検討した.対象は網膜芽細胞腫患児の片眼性9例,両眼性5例であり,その中で視力の経過観察できたのは各1症例だった.正常児は生後4ヵ月から24ヵ月の70名124眼である.装置はAwaya-Mohindra式日点P.L.乳幼児視力検査器を用い,判定はQuick Methodにより,遮閉具はアイパッチを用いた. 以上により比較した結果,正常児平均視力より,片眼性症例の健眼視力の方が優位な値が得られた.その理由として患児の検査慣れ,アイパッチの影響がない,個人差,健眼が片眼のみのため,視機能発達が促進される可能性,などが挙げられる.一方,両眼性症例に関しては保存療法眼の視機能をP.L.法により定量的に確認し,視力経過観察が可能だったため,臨床的に有意義であると思われた.
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.18.72