歪成分耳音響放射distortion product otoacoustic emissions (DP-OAE) と純音聴力
内耳はactive processの存在で非線形な入出力系になっているため, f1, f2の二つの音が入った時は, 入力音に加えていくつかの周波数成分が歪成分 (distortion product) として発生し得る。 ヒト聴覚系では, これらの歪成分のなかの2f1-f2が蝸牛基底膜上に発生し, 音として聴取できるだけでなく, 歪成分耳音響放射 (distortion product otoacoustic emissions: DP-OAE) として外耳道に放出される。 正常者及び感音性難聴者20名39耳において, DP-OAEを4kHz近傍で測定した。 その結果4kHz近傍DP-OAEば...
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Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 36; no. 3; pp. 168 - 174 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
一般社団法人 日本聴覚医学会
30.06.1993
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Subjects | |
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ISSN | 0303-8106 1883-7301 |
DOI | 10.4295/audiology.36.168 |
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Summary: | 内耳はactive processの存在で非線形な入出力系になっているため, f1, f2の二つの音が入った時は, 入力音に加えていくつかの周波数成分が歪成分 (distortion product) として発生し得る。 ヒト聴覚系では, これらの歪成分のなかの2f1-f2が蝸牛基底膜上に発生し, 音として聴取できるだけでなく, 歪成分耳音響放射 (distortion product otoacoustic emissions: DP-OAE) として外耳道に放出される。 正常者及び感音性難聴者20名39耳において, DP-OAEを4kHz近傍で測定した。 その結果4kHz近傍DP-OAEば4kHzでの純音聴力と相関し, クリック刺激e-OAEで検索しにくい高周波数領域の内耳機能検査として臨床応用が期待された。 耳鳴の有る群と無い群では, DP-OAEのエネルギーに有意な差は見られなかったが, 耳鳴群ではばらつきが大きく, 耳鳴を来す内耳病変の多様性が示唆された。 |
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ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.36.168 |