抗原・抗体反応によるフイブロインの定量法

(i) 家蚕の中部糸腺後区より液状フィプロインを調製し, ウサギを免疫動物としてフィプロイン抗体を作った. (ii) フィプロイン抗体について, 抗原・抗体沈降反応を見た結果, その抗体価は640であった。 (iii) 定量沈降反応を行ない, 抗体過剰域でのフィプロインと沈降物との関係曲線をえがくことによって, フィプロイン抗体を用いてフィプロインを定量する方法を確立した。 (iv) フィプロイン抗体はセリシソ, 血液タンパク, 体組織タソパクとは反応せず, フィプロィンに特異的に対応する抗体であることを認めた。Nativeフィプロインと変性フィプロインとのあいだには, 重層法による沈降反応で...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本蚕糸学雑誌 Vol. 34; no. 1; pp. 9 - 14
Main Authors 竹下, 弘夫, 重松, 孟
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 社団法人 日本蚕糸学会 25.02.1965
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:(i) 家蚕の中部糸腺後区より液状フィプロインを調製し, ウサギを免疫動物としてフィプロイン抗体を作った. (ii) フィプロイン抗体について, 抗原・抗体沈降反応を見た結果, その抗体価は640であった。 (iii) 定量沈降反応を行ない, 抗体過剰域でのフィプロインと沈降物との関係曲線をえがくことによって, フィプロイン抗体を用いてフィプロインを定量する方法を確立した。 (iv) フィプロイン抗体はセリシソ, 血液タンパク, 体組織タソパクとは反応せず, フィプロィンに特異的に対応する抗体であることを認めた。Nativeフィプロインと変性フィプロインとのあいだには, 重層法による沈降反応では差違がないが, ゲル内沈降反応では差違があった。
ISSN:0037-2455
1884-796X
DOI:10.11416/kontyushigen1930.34.9