血液疾患合併重症感染症に対するFosfomycinとSulbactam/Cefoperazoneの併用療法における臨床効果 関東FOM+SBT/CPZ併用療法研究
血液疾患に合併する重症感染症に対してfosfomycin (FOM) とsulbactam (SBT)/cefoperazone (CPZ) の併用効果ならびに有用性を, 同時投与した場合と時間差投与した場合とで比較検討した. FOM先行時間差投与群をA群及び両薬同時投与群をB群として以下の結果を得た. 1. 群別における有効率はA群56.3%及びB群47.9%であったが, 有意差は認められなかった. 2. 敗血症が疑われた疾患に対する有効性は, A群57.9%及びB群54.3%であり, 有意差は認められなかった. 3. 基礎疾患別では急性骨髄性白血病が最も多く, これらに対する有効率はA群5...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 72; no. 7; pp. 761 - 770 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
20.07.1998
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ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.72.761 |
Cover
Summary: | 血液疾患に合併する重症感染症に対してfosfomycin (FOM) とsulbactam (SBT)/cefoperazone (CPZ) の併用効果ならびに有用性を, 同時投与した場合と時間差投与した場合とで比較検討した. FOM先行時間差投与群をA群及び両薬同時投与群をB群として以下の結果を得た. 1. 群別における有効率はA群56.3%及びB群47.9%であったが, 有意差は認められなかった. 2. 敗血症が疑われた疾患に対する有効性は, A群57.9%及びB群54.3%であり, 有意差は認められなかった. 3. 基礎疾患別では急性骨髄性白血病が最も多く, これらに対する有効率はA群57.1%及びB群27.3%であったが, 統計学的有意差は認められなかった. しかしA群の有効性が高い傾向にあった. 4. 抗菌薬投与後, 好中球数が501/μl以上の症例の有効率は, A群77.8%及びB群45.5%であり, A群が有意に優れていた. 5. 安全性評価対象115例のうち, 副作用, 臨床検査値異常はそれぞれ3例認められたが, 重篤なものは認められなかった. 以上の成績より, FOMとSBT/CPZの投与に時間差をつけた併用療法は, 血液疾患に合併する重症感染症に有効であることが確認された. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.72.761 |