脳卒中における簡易口腔・顎顔面機能評価法の提案 摂食・嚥下障害における口腔機能障害の評価

脳卒中片麻痺症状は口腔・顎顔面領域にも生じ摂食・嚥下障害を惹起するため,機能障害,能力低下の各レベルを的確に評価する必要がある.摂食・嚥下機能評価は嚥下造影検査,水のみテストのように能力障害の評価が多く,原因の一つである口腔機能障害の評価法は少ない.日常臨床で使用可能な評価法の開発を目的として簡易口腔・顎顔面機能評価法を考案し,その有用性を検討した.運動機能はデジタル画像で評価し,感覚機能は触覚で評価したアセスメントシートを作成した.評価項目は,脳卒中機能評価法 (SIAS) を参考にして3点あるいは5点満点で評価した.評価法を摂食・嚥下障害患者1名の口腔機能訓練に応用し有用性を検討した.舌運...

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Published in日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 7; no. 1; pp. 53 - 56
Main Authors 植木, 輝一, 永長, 周一郎, 藤谷, 順子, 品川, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会 30.06.2003
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ISSN1343-8441
2434-2254
DOI10.32136/jsdr.7.1_53

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Summary:脳卒中片麻痺症状は口腔・顎顔面領域にも生じ摂食・嚥下障害を惹起するため,機能障害,能力低下の各レベルを的確に評価する必要がある.摂食・嚥下機能評価は嚥下造影検査,水のみテストのように能力障害の評価が多く,原因の一つである口腔機能障害の評価法は少ない.日常臨床で使用可能な評価法の開発を目的として簡易口腔・顎顔面機能評価法を考案し,その有用性を検討した.運動機能はデジタル画像で評価し,感覚機能は触覚で評価したアセスメントシートを作成した.評価項目は,脳卒中機能評価法 (SIAS) を参考にして3点あるいは5点満点で評価した.評価法を摂食・嚥下障害患者1名の口腔機能訓練に応用し有用性を検討した.舌運動,口唇運動ともデジタル画像により評価が容易で,機能評価により系統的に訓練を進めることが可能となった.今後は症例数を増やし,信頼性を検討するとともに評価項目の妥当性も検討していく必要がある.
ISSN:1343-8441
2434-2254
DOI:10.32136/jsdr.7.1_53