札幌市におけるβ溶血レンサ球菌臨床分離株の菌型分布に関する長期的観察 II. B群溶血レンサ球菌の15年間の菌型分布について
1985年から99年までの15年間に市立札幌病院で分離されたB群レンサ球菌1, 985株について型別し以下の結果を得た. 1. NT6型とJM9型が型別されるようになった1992以降のB群レンサ球菌1513株の菌型分布は, NT6型412株 (27.3%), JM9型257株 (17.0%), III型220株 (145%), Ia型182株 (12.0%), IV型136株 (9.0%), Ib型125株 (8.3%), V型53株 (3.5%), II型46株 (3.0%) の順であった. 2. 由来材料は膣分泌液が49.5%, 尿が24.8%, 以下咽頭6.8%, 喀痰6.6%, 膿汁4...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 75; no. 3; pp. 174 - 180 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
20.03.2001
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ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.75.174 |
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Summary: | 1985年から99年までの15年間に市立札幌病院で分離されたB群レンサ球菌1, 985株について型別し以下の結果を得た. 1. NT6型とJM9型が型別されるようになった1992以降のB群レンサ球菌1513株の菌型分布は, NT6型412株 (27.3%), JM9型257株 (17.0%), III型220株 (145%), Ia型182株 (12.0%), IV型136株 (9.0%), Ib型125株 (8.3%), V型53株 (3.5%), II型46株 (3.0%) の順であった. 2. 由来材料は膣分泌液が49.5%, 尿が24.8%, 以下咽頭6.8%, 喀痰6.6%, 膿汁4.2%, 便3.1%, 血液・髄液等1.8%, 胃内容等1.3%であった.膣分泌液由来株は, 前半 (1985~91) は230%であったが後半 (1992~99) は55.9%に増加した. 3. 由来材料別に菌型分布をみると, III型菌の割合は胃内容と血液・髄液由来株において有意に高かった.またIa型の割合は喀痰と咽頭由来株において有意に高かった. 4. 新生児分離株28株中13株がIII型菌であった.すなわち髄液株4株中3株 (75.0%), 血液株10株中5株 (50%), 胃内容株14株中5株 (35.7%) がIII型菌であった. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.75.174 |