皮膚科領域感染症に対するCefdinirの臨床的検討 皮下膿瘍サーモグラム像による経過観察所見の報告
新経口用セフェム系抗生物質であるcefdinir (CFDN) を浅在性化膿性疾患の10症例を対象として, その臨床効果および安全性を検討した。 CFDNの投与量は1回100~200mg 1日3回食後経口投与し, 投薬期間は3~11日間であった。疾患の内訳は, 節5例, 外傷などの二次感染症2例, 伝染性膿痂疹, 感染性粉瘤, 皮下膿瘍各1例ずつで, その臨床成績は, 著効9例, 有効2例で有効率は100%であった。皮下膿瘍の症例は, サーモグラム像による経過観察を行い, 抗生剤投与により局所の高温域の矮小化と正常への復帰が確認できた。細菌学的効果では, 分離菌6株 (6例) は投与終了時には...
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Published in | CHEMOTHERAPY Vol. 37; no. Supplement2; pp. 950 - 954 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
01.12.1989
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Subjects | |
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ISSN | 0009-3165 1884-5894 |
DOI | 10.11250/chemotherapy1953.37.Supplement2_950 |
Cover
Summary: | 新経口用セフェム系抗生物質であるcefdinir (CFDN) を浅在性化膿性疾患の10症例を対象として, その臨床効果および安全性を検討した。 CFDNの投与量は1回100~200mg 1日3回食後経口投与し, 投薬期間は3~11日間であった。疾患の内訳は, 節5例, 外傷などの二次感染症2例, 伝染性膿痂疹, 感染性粉瘤, 皮下膿瘍各1例ずつで, その臨床成績は, 著効9例, 有効2例で有効率は100%であった。皮下膿瘍の症例は, サーモグラム像による経過観察を行い, 抗生剤投与により局所の高温域の矮小化と正常への復帰が確認できた。細菌学的効果では, 分離菌6株 (6例) は投与終了時にはすべて消失した。起炎菌の内訳は, Staphylococcus aureus3株, coagulase nagative Staphylococcus2株, Peptostreptococcus asaccharolyticus1株であった。副作用は1例で軽度の下痢を認めた。服用中止後, 特別な治療はなく消失した。臨床検査値の異常変動は認めなかった。 以上の成績から本剤は起炎菌としてグラム陽性菌の関与の高い皮膚科領域感染症に対して有用な薬剤であると考えられた。 |
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ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.37.Supplement2_950 |