TE-031の毒性研究 (第9報) ラットの慢性毒性試験

新規マクロライド系抗生物質TE-031 (1.6, 8, 40,200mg/kg) のWistar系ラットにおける6ヵ月経口慢性毒性試験並びに2カ月の回復性試験を実施し, 以下の成績を得た。 1. 試験期間中死亡例はなく, 盲腸重量の増加が40mg/kg群を除く各群に認められたが, 8mg/kg以下の群ではそのほかの影響はみられなかつた。 2. 40mg/kg群では流誕が少数例で散発的に観察されたほか, GPT活性の上昇及び肝臓, 腎臓重量の増加が見られ, 組織学的には多核肝細胞の増加と肝細胞壊死並びに小円形細胞浸潤の増強傾向がみられた。 3. 200mg/kg群では上記諸変化に加え, 体重の...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 36; no. Supplement3; pp. 311 - 333
Main Authors 大島, 隆, 八木, 健一, 河西, 章, 岩松, 裕子, 木村, 正明, 中根, 貞雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 30.07.1988
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Summary:新規マクロライド系抗生物質TE-031 (1.6, 8, 40,200mg/kg) のWistar系ラットにおける6ヵ月経口慢性毒性試験並びに2カ月の回復性試験を実施し, 以下の成績を得た。 1. 試験期間中死亡例はなく, 盲腸重量の増加が40mg/kg群を除く各群に認められたが, 8mg/kg以下の群ではそのほかの影響はみられなかつた。 2. 40mg/kg群では流誕が少数例で散発的に観察されたほか, GPT活性の上昇及び肝臓, 腎臓重量の増加が見られ, 組織学的には多核肝細胞の増加と肝細胞壊死並びに小円形細胞浸潤の増強傾向がみられた。 3. 200mg/kg群では上記諸変化に加え, 体重の軽度な増加抑制, 尿中ナトリウム量の増加とカリウム量の減少, 軽度な貧血性変化, GOT及びAl-P活性の上昇, 血清脂質量及びアルブミン量の減少, 脾臓及び副腎重量の増加がみられた。そのほか, 肝臓の組織変化が増強された。 4. TE-031投与による諸変化は40mg/kgから認められたが, 休薬によりおおむね消失あるいは軽減され, 回復性のある変化で, 無影響量は8mg/kgと判断した。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.36.Supplement3_311