フッ素含有新規接着性レジンの抗う蝕性の検討 第1報人工二次う蝕に対する辺縁封鎖性について

新規フッ素含有接着性レジン, パナビアフルオロセメント (以下Fパナビアと略す) の抗う蝕性を, in vitroで評価した.上顎小臼歯に鋳造冠を合着し, その辺縁に人工二次う蝕を作製し, 脱灰部の進行深度を計測した.その結果, 3カ月間放置したFパナビアの場合には脱灰の最深部が鋳造冠の辺縁に到達せず, 脱灰に抵抗する層が認められ抗う蝕性が示唆された.またフジリュートに対して, Fパナビアとパナビア21が共に危険率1%で有意差を認めたことから, 接着性レジンの接着強さや接着耐久性も本実験系の結果に大きく影響していると思われた.今後は, 合着材からのフッ素の徐放量や歯質への取り込みなどを, 元素...

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Published in接着歯学 Vol. 17; no. 3; pp. 180 - 185
Main Authors 佐藤, 範幸, 依本, 卓見, 大畑, 昇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本接着歯学会 15.12.1999
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Summary:新規フッ素含有接着性レジン, パナビアフルオロセメント (以下Fパナビアと略す) の抗う蝕性を, in vitroで評価した.上顎小臼歯に鋳造冠を合着し, その辺縁に人工二次う蝕を作製し, 脱灰部の進行深度を計測した.その結果, 3カ月間放置したFパナビアの場合には脱灰の最深部が鋳造冠の辺縁に到達せず, 脱灰に抵抗する層が認められ抗う蝕性が示唆された.またフジリュートに対して, Fパナビアとパナビア21が共に危険率1%で有意差を認めたことから, 接着性レジンの接着強さや接着耐久性も本実験系の結果に大きく影響していると思われた.今後は, 合着材からのフッ素の徐放量や歯質への取り込みなどを, 元素分析などより基礎的な方法によって検討を加える必要がある
ISSN:0913-1655
2185-9566
DOI:10.11297/adhesdent1983.17.180