ポリエチレンテレフタレートーフタレート共重合体

溶融重合によるポリエチレンテレフタレート-フタレート共重合体の合成, および共重合体の二三の性質の測定を行なった。ジメチルテレフタレートおよびジメチルフタレートを用い, 酢酸カルシウムと三酸化アンチモン混合触媒を使用すると, エチレンフタレート含量が50モル%以下では容易に還元粘度0.4以上の強じんなポリマーが得られたが, エチレンフタレート含量が50モル%以上になると還元粘度の大きなポリマーは得られがたい。生成ポリマーの融点, 粘着温度, 結晶性, 溶解性に及ぼすエチレンフタレート含量の影響を検討した。エチレンフタレート含量が増すにつれて融点は低下し, 結晶化度は減少し, 溶解性は向上する。...

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Bibliographic Details
Published in高分子化學 Vol. 21; no. 228; pp. 225 - 230
Main Authors 原田, 洋一, 中条, 澄, 鈴木, 重郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 25.04.1964
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ISSN0023-2556
1884-8079
DOI10.1295/koron1944.21.225

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Summary:溶融重合によるポリエチレンテレフタレート-フタレート共重合体の合成, および共重合体の二三の性質の測定を行なった。ジメチルテレフタレートおよびジメチルフタレートを用い, 酢酸カルシウムと三酸化アンチモン混合触媒を使用すると, エチレンフタレート含量が50モル%以下では容易に還元粘度0.4以上の強じんなポリマーが得られたが, エチレンフタレート含量が50モル%以上になると還元粘度の大きなポリマーは得られがたい。生成ポリマーの融点, 粘着温度, 結晶性, 溶解性に及ぼすエチレンフタレート含量の影響を検討した。エチレンフタレート含量が増すにつれて融点は低下し, 結晶化度は減少し, 溶解性は向上する。エチレンフタレート含量が40モル%以上になると共重合体は全く非晶性となり, 融点は認めがたくなり, 粘着温度のみが測定される。この粘着温度はエチレンフタレート含量が70モル%のあたりで最低となる。Floryの無秩序共重合体の融解理論から求めたポリエチレンテレフタレートの融解熱はくり返し単位1モルあたり3300calであった。
ISSN:0023-2556
1884-8079
DOI:10.1295/koron1944.21.225