脂質膜の作るナノ空間からの蛋白質結晶成長(最近の研究から)

脂質膜が形成するキュービック相は内部にナノメートルサイズの入り組んだ水路を持つ.この水路内に閉じ込められた蛋白質は通常の溶液からの結晶化の場合の数分の1の濃度で結晶化し,結晶はキュービック相を破壊しながら成長する.この現象を,水路中に拘束されていることによる,蛋白質分子のエントロピー損を付加的な結晶化駆動力とするモデルで説明することを試みる....

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Published in日本物理学会誌 Vol. 59; no. 12; pp. 879 - 882
Main Author 田中, 晋平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本物理学会 05.12.2004
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ISSN0029-0181
2423-8872
DOI10.11316/butsuri1946.59.879

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Summary:脂質膜が形成するキュービック相は内部にナノメートルサイズの入り組んだ水路を持つ.この水路内に閉じ込められた蛋白質は通常の溶液からの結晶化の場合の数分の1の濃度で結晶化し,結晶はキュービック相を破壊しながら成長する.この現象を,水路中に拘束されていることによる,蛋白質分子のエントロピー損を付加的な結晶化駆動力とするモデルで説明することを試みる.
ISSN:0029-0181
2423-8872
DOI:10.11316/butsuri1946.59.879