ポリビニルアルコールへのアクリル酸エステルの乳化グラフト重合

ポリビニルアルコール (PVA) の存在下でアクリル酸エステルの乳化重合を行ない, PVA-アクリル酸エステルグラフトポリマーを得る重合において, グラフトポリマーの生成のしやすさは, 用いる乳化剤の種類によって異なることが見出された。すなわちアニオン系乳化剤を用いた場合, 重合速度はノニオン系に比べて差が認められないにもかかわわらず, グラフト重合活性はきわめて大きいことが分かった。これはアニオン系乳化剤が水溶液中においてPVAと吸着複合体をつくりPVAが重合の場であるミセル近傍に局在するようになり, モノマーとの接触が容易になるためである。...

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Published in高分子化學 Vol. 26; no. 292; pp. 575 - 581
Main Authors 井手, 文雄, 中塚, 和夫, 中野, 信太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 25.08.1969
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ISSN0023-2556
1884-8079
DOI10.1295/koron1944.26.575

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Summary:ポリビニルアルコール (PVA) の存在下でアクリル酸エステルの乳化重合を行ない, PVA-アクリル酸エステルグラフトポリマーを得る重合において, グラフトポリマーの生成のしやすさは, 用いる乳化剤の種類によって異なることが見出された。すなわちアニオン系乳化剤を用いた場合, 重合速度はノニオン系に比べて差が認められないにもかかわわらず, グラフト重合活性はきわめて大きいことが分かった。これはアニオン系乳化剤が水溶液中においてPVAと吸着複合体をつくりPVAが重合の場であるミセル近傍に局在するようになり, モノマーとの接触が容易になるためである。
ISSN:0023-2556
1884-8079
DOI:10.1295/koron1944.26.575