日本における血色素異常症(第2報) -兵庫県の調査

1980年から1981年にかけて兵庫県における集団検診受診者の等電点電気泳動法によるヘモグロビンのマススクリーニングを行った. 12,391名のうち4名の異常ヘモグロビン保因者(Hb G Waimanalo, Hb Ube-2, Hb J Norfolk, Hb Ankara)と1名のβ-サラセミア症を発見した. 4名の異常ヘモグロビン保因者は何ら臨床症状を示していなかったが, β-サラセミア症の例は, 軽度の貧血を呈していた. 「はじめに」等電点電気泳動によるマススクリーニングにより, 1980年6月から1981年3月まで, 兵庫県の社会保険神戸中央病院が行った兵庫県下の集団検診の受診者12...

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Published in川崎医学会誌 Vol. 11; no. 1; pp. 142 - 146
Main Authors 原野恵子, 原野昭雄, 今井直美, 森博雄, 上田智, 中島行正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 30.03.1985
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ISSN0386-5924
DOI10.11482/KMJ-J11(1)142

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Summary:1980年から1981年にかけて兵庫県における集団検診受診者の等電点電気泳動法によるヘモグロビンのマススクリーニングを行った. 12,391名のうち4名の異常ヘモグロビン保因者(Hb G Waimanalo, Hb Ube-2, Hb J Norfolk, Hb Ankara)と1名のβ-サラセミア症を発見した. 4名の異常ヘモグロビン保因者は何ら臨床症状を示していなかったが, β-サラセミア症の例は, 軽度の貧血を呈していた. 「はじめに」等電点電気泳動によるマススクリーニングにより, 1980年6月から1981年3月まで, 兵庫県の社会保険神戸中央病院が行った兵庫県下の集団検診の受診者12,391名のヘモグロビン検査を行い, 異常ヘモグロビン保因者4名と, β-サラセミア症1名を発見し, ヘモグロビンの構造と機能解析, 生合成試験等を行った. 異常ヘモグロビンの検出頻度は3100人に1人の割で, 日本での平均的な値であった. 発見された異常ヘモグロビンのうち2例は日本人では初めての例であった. 「方法」等電点電気泳動によるマススクリーニングはアンホラインを含むポリアクリルアミドゲル(pH範囲6-9)を作成して行った.1),2)
ISSN:0386-5924
DOI:10.11482/KMJ-J11(1)142