胃液ペプシン活性測定法の基礎的検討―特に胃液保存法と少量化Anson変法について

ヘモグロビンを基質としたペプシン活性測定法(Anson法)の改変法を確立し, その方法を用いて胃液の保存方法によるペプシン活性の経時的変動を検討した. この改変法は基質および検体が少量で測定することができ, 再現性も良好である. また本法による測定値と日本消化器病学会胃液測定法検討委員会の方法による測定値とは良好な相関を示した. (y=1.024x-0.002, r=0.966, P<0.001) pH1.0の胃液は4℃に保存すると14日後には活性が20%減少し, -60℃に保存すると4日で完全に失活した. しかしながら0.1M acetate buffer, pH5.3で透析した胃液は14日...

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Published in川崎医学会誌 Vol. 6; no. 3; pp. 120 - 127
Main Authors 山本俊, 塚本真言, 篠原昭博, 坂本武司, 江木聖子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 30.10.1980
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ISSN0386-5924
DOI10.11482/KMJ-J6(3)120

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Summary:ヘモグロビンを基質としたペプシン活性測定法(Anson法)の改変法を確立し, その方法を用いて胃液の保存方法によるペプシン活性の経時的変動を検討した. この改変法は基質および検体が少量で測定することができ, 再現性も良好である. また本法による測定値と日本消化器病学会胃液測定法検討委員会の方法による測定値とは良好な相関を示した. (y=1.024x-0.002, r=0.966, P<0.001) pH1.0の胃液は4℃に保存すると14日後には活性が20%減少し, -60℃に保存すると4日で完全に失活した. しかしながら0.1M acetate buffer, pH5.3で透析した胃液は14日後には4℃に保存すると5%, -60℃でも25%の失活しかみられなかった. このように透析後胃液を4℃で保存するのが最もペプシン活性の減少が少なかった. 「緒言」胃液検査は消化管X線検査, 内視鏡検査の発達した現在では診断的な価値に対する期待は少なくなった.
ISSN:0386-5924
DOI:10.11482/KMJ-J6(3)120