DBAマウスにおける血中および唾液中抗CCP抗体量の関連性についての研究

「緒言」 関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis: RA)はリウマトイド因子をはじめとする種々の自己抗体の産生を特徴とする全身性自己免疫疾患で, 有病率は全人口の約0.5~1.0%, とされている. また, 滑膜の炎症と増殖により全身の慢性, 持続性, 破壊性関節炎を主症状とし, 再燃を繰り返しながら関節破壊へと導いていく. さらに, 関節外症状としても目の強膜炎, 間質性肺炎, 血管炎などが生じる. 発症年齢は全年齢にわたるが好発年齢は40~60歳代で女性に多く, シェーグレン症候群や慢性甲状腺炎を合併することがある. またRA患者の平均寿命は10年短いという統計があり, 発...

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Published in神奈川歯学 Vol. 52; no. 1/2; pp. 14 - 18
Main Authors 坂口和歌子, 東雅啓, 猿田樹理, 清水智子, 鎌田要平, 槻木恵一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.12.2017
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ISSN0454-8302

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Summary:「緒言」 関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis: RA)はリウマトイド因子をはじめとする種々の自己抗体の産生を特徴とする全身性自己免疫疾患で, 有病率は全人口の約0.5~1.0%, とされている. また, 滑膜の炎症と増殖により全身の慢性, 持続性, 破壊性関節炎を主症状とし, 再燃を繰り返しながら関節破壊へと導いていく. さらに, 関節外症状としても目の強膜炎, 間質性肺炎, 血管炎などが生じる. 発症年齢は全年齢にわたるが好発年齢は40~60歳代で女性に多く, シェーグレン症候群や慢性甲状腺炎を合併することがある. またRA患者の平均寿命は10年短いという統計があり, 発症2年以内に70%が関節破壊へ移行するとされ, 早期診断, 疾患活動性と機能障害の評価, 臨床経過の予測が重要とされている. 近年, RAの治療は進歩しており, 病態に関わるTFN-αやIL-6などの炎症性サイトカイン活性や免疫細胞機能分子をピンポイントで制御する分子標的薬が続々と開発され骨破壊抑制や寛解導入へ多大な効果を上げている.
ISSN:0454-8302