在宅RA患者の実態調査

「はじめに」慢性関節リウマチの実態調査によると全国で約70万人の患者(発症率0.3~1.5%,平均0.58%)がいると推定されている.さらに全身の関節や筋肉の痛みを訴えるリウマチ性疾患は1,000万人を越えるといわれている.また寝たきり老人(65歳以上)の原因疾患をみても脳卒中,骨折,老衰などについでリウマチが4.2~7.2%の頻度で報告されている1).しかし在宅で生活している患者さんの実態についての報告は少ない.長崎県の身体障害者実態報告書(H3.10)2)によると身体障害者は58,573人で,うち肢体不自由は31,274人(53.4%)と約半数を占めている.しかし疾患別には整理されておらず...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 46; no. 2; pp. 459 - 464
Main Authors 藤田雅章, 本川哲, 角光宏, 稲富健司郎, 園畑素樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1997
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033

Cover

More Information
Summary:「はじめに」慢性関節リウマチの実態調査によると全国で約70万人の患者(発症率0.3~1.5%,平均0.58%)がいると推定されている.さらに全身の関節や筋肉の痛みを訴えるリウマチ性疾患は1,000万人を越えるといわれている.また寝たきり老人(65歳以上)の原因疾患をみても脳卒中,骨折,老衰などについでリウマチが4.2~7.2%の頻度で報告されている1).しかし在宅で生活している患者さんの実態についての報告は少ない.長崎県の身体障害者実態報告書(H3.10)2)によると身体障害者は58,573人で,うち肢体不自由は31,274人(53.4%)と約半数を占めている.しかし疾患別には整理されておらずリウマチの頻度は不明である.そこで演者が直接関わっている大村市,東彼地区の実態を調査した.大村市では肢体不自由1,531人中リウマチは104人(6.8%)であった.同様に川棚町では390人中23人(5.9%),東彼杵町では341人中28人(8.2%)そして波佐見町では384人中23人(6.0%)であった(表1).また身体障害者手帳をもたないリウマチ患者を発症率0.3%で計算してもこの2~3倍は存在することが推測される.今回は直接関わりをもっている大村市,東彼地区の実態調査を通して,在宅医療を中心に在宅生活を送る上での問題点や支援対策について述べてみたい.
ISSN:0037-1033