一側の拍動性眼球突出を主訴とするneurofibromatosisに合併した頸髄動静脈奇形の1例

Neurofibromatosis(von Recklinghausens disease)は, 外胚葉性発生異常としての皮膚病変および多発性の末梢あるいは中枢神経系腫瘍を伴う家族性疾患として良く知られている5). 我々は, 眼窩部雑音を伴う一側の拍動性眼球突出を主訴としたneurofibromatosisに中胚葉性発生異常としての頸髄動静脈奇形(cervical arteriovenous malformation:頸髄AVM)を合併した1例を経験し, 頸髄AVMに対しては直達手術を, また拍動性眼球突出に対しては眼窩形成術を施行し, これらを根治せしめた. これまで同様の合併症例は川崎ら1...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 23; no. 10; pp. 807 - 813
Main Authors 村田高穂, 有澤雅彦, 織田祥史, 内田泰史, 奥村禎三, 森本雅徳, 上村賀彦, 清家真人, 森惟明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1983
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Summary:Neurofibromatosis(von Recklinghausens disease)は, 外胚葉性発生異常としての皮膚病変および多発性の末梢あるいは中枢神経系腫瘍を伴う家族性疾患として良く知られている5). 我々は, 眼窩部雑音を伴う一側の拍動性眼球突出を主訴としたneurofibromatosisに中胚葉性発生異常としての頸髄動静脈奇形(cervical arteriovenous malformation:頸髄AVM)を合併した1例を経験し, 頸髄AVMに対しては直達手術を, また拍動性眼球突出に対しては眼窩形成術を施行し, これらを根治せしめた. これまで同様の合併症例は川崎ら10)による1例の報告をみるのみであり, きわめてまれであると考えられたので, 本症例につき文献的考察を加え報告する.
ISSN:0470-8105